文豪ゆかりの宿
川端康成や志賀直哉ら文豪が、確かにこの宿に滞在し、この庭を見た。作品を生んだ静けさは、記録として今も宿に残っている。今の語り手たちは、その同じ場所で、文豪とは違う理由を抱えてこの宿に立ち会った。気になる誰かの話から読んでみてほしい。
条件に合う宿が見つからない。絞り込みを変えてみてほしい。
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悠真 — IT企業勤務・推し活に生きる会社員 来週の土日だけ、白かった。
ツアーのない週末がひとつ空いた。埋めるために取った修善寺・新井旅館で、通知の間隔がひらいていく——桂川の音だけが残る一泊
文化財の宿 新井旅館
静岡県伊豆市 / 中〜高価格帯(1泊2食 2名約55,800円〜) / 東京駅から新幹線で三島約50分→伊豆箱根鉄道駿豆線約33分で終点修善寺駅→バス約10分。特急踊り子なら直通約2時間8分
向いている登録有形文化財の建物に実際に泊まりたい人 / 源泉かけ流しの浴場(大浴場2・露天2・貸切2、24時間入浴)を重視する人
№ 002 — 供給のない週末の現場 -
克彦 — 早期退職した元管理職 決め手は、宿までのバスが一日に四便しかない、という一行である。
退職して三ヶ月。一日四便のバスに、初めて予定を決めてもらった
法師温泉 長寿館
群馬県みなかみ町 / 中価格帯(1泊2食・2名で約35,700〜55,000円) / 東京駅から上越新幹線で上毛高原駅約70〜80分→町営バス(猿ヶ京経由)約50〜70分→法師バス停。バスは午前2便・午後2便のみ
向いている文化財の木造建築と足元湧出の湯そのものを目的にできる人 / 川端康成・与謝野晶子夫妻・若山牧水ら文人の来訪歴に関心がある人
№ 004 — 以上、で締まらない一日 -
蓮 — 作家志望 千二百年の湯に、佳作の三万円で入りに来た。
賞金三万円の使い途を三日考えて、新宿から特急あずさに乗った。笹子トンネルの先、雨の甲府盆地——松本清張が『波の塔』を書いた宿、湯村温泉 常磐ホテル
信玄の湯 湯村温泉 常磐ホテル
山梨県甲府市 / 中〜高価格帯(1泊2食・2名約52,000円〜) / 新宿駅から特急あずさ約1時間30分で甲府駅→南口からバス約15分「湯村温泉入口」下車徒歩約1分、タクシー約10〜12分
向いている文人の定宿の系譜(井伏鱒二・松本清張・山口瞳)に関心がある人 / 庭園に面した離れ・源泉かけ流し露天風呂付きの部屋で過ごしたい人
№ 006 — 一行書けたら、湯に入る -
有希 — 会社員 五時間は長い。長いのがよかった。
東京から五時間、誰にも説明しない旅。夕暮れの城崎を、下駄を鳴らして外湯へ歩いた
城崎温泉 三木屋
兵庫県豊岡市 / 中〜高価格帯(1泊2食・2名約60,000〜77,000円) / 東京駅から新幹線のぞみで京都約2時間15分→特急きのさき約2時間25〜40分で城崎温泉駅→徒歩約15分。合計約5時間
向いている志賀直哉『城の崎にて』誕生の宿という文学的事実を求める人 / 登録有形文化財の木造建築・日本庭園のある小規模宿を好む人
№ 010 — 遠いほうの切符を買う -
有希 — 会社員 名前をつけないままにしておけるものが、この庭にはいくつもあった。
姪の七五三の写真が届いた日に、松江へ。宍道湖の庭を持つ明治21年創業の宿で、何も名付けずに過ごした一泊
皆美館
島根県松江市 / 中〜高価格帯(2名税込 朝食付38,420円〜、夕朝食付51,480円〜) / 松江駅のバスロータリー2番または3番乗り場から乗車、大橋北詰で下車(約10分)、徒歩2〜3分
向いている宍道湖を臨む日本庭園のある宿に泊まりたい人 / 明治21年創業、文人墨客が訪れた宿に関心がある人
№ 021 — 名前をつけない庭 -
黒瀬慧 — 編者 詩人が小説家になる六年間が、教師の職とともにあった。
詩人が小説家になる六年間が、この土地にあった。小諸義塾の教師・島崎藤村と、中棚温泉の宿
島崎藤村ゆかりの宿 中棚荘
長野県小諸市 / 中価格帯(2名税込 素泊21,120円〜36,960円、夕朝食付44,000円〜48,480円) / 小諸駅から徒歩20〜30分、タクシー約1,000円。送迎の記載なし
向いている藤村が六年を過ごした小諸という土地を訪ねたい人 / 明治31年創業の宿に泊まりたい人
厳選録 — 六年、教師をしていた