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一緒に入れる年齢
保育園の連絡帳に、来月から男女で着替えを分けます、と書いてあった。四歳。分かれる年齢が、少しずつ早くなっている気がする。
夫は単身赴任先にいる。今週は帰ってこない。息子と二人で、どこかへ行こうと思った。大浴場ではなく、部屋に風呂が付いている宿を探した。探しながら、あと何回、一緒に入れるだろうと数えかけて、数えるのをやめた。
シャトルタクシー
空港からタクシーで十五分だった。片道三千円だと聞いて、往復で六千円、何時間ぶんの時給になるか、頭の中で計算しかけた。今日はやめた。やめると決めて、実際にやめられたのは、たぶん初めてだった。

離れの棟に、息子が先に走って入った。柱が黒い。息子が、ここ、どうして黒いの、と聞いた。昔の家を運んできたんだって、と答えると、それだけで納得したようだった。
部屋の風呂
部屋に、温泉の風呂が付いていた。息子と二人で入った。息子が、湯船の中で数を数え始めた。十まで数えて、また一から数える。何度目かで飽きて、湯をすくって私の頭にかけてきた。
やめなさい、と言いながら、私は少し笑っていた。この動作も、あと何回見られるだろう、とまた考えかけて、また、やめた。

地鶏
夕食は部屋に運ばれた。地鶏の料理が出た。息子は半分も食べなかった。残った分を、私が食べた。残さない人だから、と誰にも説明する必要はなかった。
廊下の奥で、宿泊客らしい人が一人、離れの案内板を見ていた。子どもの声がすると、少しだけこちらを見て、また案内板に目を戻した。
何時間ぶんでもなく
寝る前、もう一度、二人で湯に入った。息子はもう眠そうで、数を数えなかった。湯の中で、私にもたれかかってきた。
何時間ぶん、と数えかけて、今日はやめた。時間を、金額でも罪悪感でもなく、ただの時間として過ごした。過ごせた、というだけで、今日は十分だった。
翌朝、息子が、また来る、と言った。私は、そうだね、とだけ答えた。次はいつか、まだ決めていない。
