宿と小説の読みもの、余白
人物録

沙織さおり

時短勤務の会社員発表 3 篇

誰にも咎められていないのに、自分で自分を採点する声から降りられるか

宿の選び方

一泊は、延長保育の何日ぶんか。それで決める。

見るもの
  • お迎えの時刻から逆算した最終の便
  • 他の親の送り迎え
  • 有給の残り
小説からの引用

「電話をかけようとして、番号を出したところで止めた。止めたまま、画面が暗くなるのを待った。」

『数えずに済む』より →

四歳の息子を育てながら、時短勤務で働いている。夫は平日、単身赴任先にいて週末しか帰らない。子を預けるたび、誰にも咎められていないのに、自分で自分に言い訳をしている。

預けた時間を、あとで「何時間ぶん」と数え直す癖がある。誰も採点していないのに、自分でつけた点数だけが残る。

忘れの里 雅叙苑(鹿児島県霧島市) 「何時間ぶん、と数えかけて、今日はやめた。時間を、金額でも罪悪感でもなく、ただの時間として過ごした。」

年譜

3 話
連載のなかの時間
2027年6月 — 2030年12月(42か月)
泊まった回
3 回
あいだ
平均 21 か月

  1. № 083 2027年6月 初出 一緒に入る、最後のほう 忘れの里 雅叙苑 — 鹿児島県霧島市 六万円台後半〜(1名1室・夕朝食付) 「何時間ぶん、と数えかけて、今日はやめた。時間を、金額でも罪悪感でもなく、ただの時間として過ごした。」
  2. № 084 2027年9月 前の回から 3 か月 空欄にした時間 静響の宿 山水 — 奈良県十津川村 一万円台半ば〜(1名1室・夕朝食付) 「預けた時間を、あとで何時間ぶんと数え直す癖がある。今日、友人も同じことをしていると分かった。」
  3. № 085 2030年12月 前の回から 39 か月 数えずに済む 越前あわら温泉 つるや — 福井県あわら市 五万円台半ば〜(1名1室・夕朝食付) 「電話をかけようとして、番号を出したところで止めた。止めたまま、画面が暗くなるのを待った。」

宿の取り方

3 泊ぶん
額の帯記録を書いた時点
一万円台半ば 〜 六万円台後半
土地
3 県

承知のうえで取った宿が、持っていたもの。

  • 男女入れ替え制 — 忘れの里 雅叙苑、越前あわら温泉 つるや
  • 湯の時間が決まっている — 静響の宿 山水、越前あわら温泉 つるや
  • アメニティを置いていない — 静響の宿 山水
  • 加水または加温がある — 静響の宿 山水
  • 客室にトイレがない — 静響の宿 山水
  • 露天風呂がない — 忘れの里 雅叙苑

別の順で読む

2 通り
土地で選ぶ3
  • 鹿児島県 083
  • 奈良県 084
  • 福井県 085
額で選ぶ3

記録を書いた時点の帯

  • 一万円台 084
  • 五万円台 085
  • 六万円台 083

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