宿と小説の読みもの、余白
鹿児島県霧島市牧園町(妙見温泉)

忘れの里 雅叙苑

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この宿の記録

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この宿に泊まる一晩を、小説にしてある。

分類できないものを、私は分類できないまま持っていた。

黒瀬慧『フォルダ名を消した日』

手帳の後ろの頁で、分類できないものが十二個、名前をつけたまま止まっている。私は鹿児島、古民家を移築した宿へ向かい、地鶏の膳と、由紀の記憶に触れる。九か月迷い続けてきたフォルダ名と、私はどう向き合うか。

今度は飛行機だと言うと、祖母は、あたしが乗ったことないのに、と笑った。

奈緒『出ない一日』

祖母を、鹿児島へ誘った。今度は飛行機だと言うと、あたしが乗ったことないのに、と笑われた。鹿児島県霧島市、古民家を移築した宿は全室に源泉かけ流しの湯があり、一日、部屋から出なかった。

何時間ぶん、と数えかけて、今日はやめた。時間を、金額でも罪悪感でもなく、ただの時間として過ごした。

沙織『一緒に入る、最後のほう』

夫が単身赴任先にいる週末、4歳の息子と二人で鹿児島へ向かう。大浴場は、もうすぐ男女で分かれる年齢になる。部屋の風呂で息子と入れる、数少ない時期のうちの一晩の記録。

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向かないとき

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