本記事はアフィリエイト広告(Relux・一休.com)を利用しています。
分類できなかったもの
手帳に、分類できない語を書き留める欄がある。
分類できる語は、その場で分類して、忘れる。項目名がつけば、あとから引ける。引けるものは、覚えておかなくていい。
残るのは、項目名のつかないほうである。
由布院で十一語目を書いた。高野山の麓で十四語目を、書きそこねた。そのあいだに二軒あって、合わせて四軒になる。
分類できないものだけが、手帳に残っている。
四つ
亀の井別荘(大分・由布院温泉)
全十七室。うち離れが十一室、本館の洋室が六室。敷地は約一万坪。離れは部屋食で、本館の洋室はレストランになる。
秘境 白川源泉 山荘 竹ふえ(熊本・黒川温泉の奥)
約五千坪に、露天風呂付離れ八室と本館和室四室が点在する。食事は客室の囲炉裏で供される。露天風呂は三十か所あり、すべて源泉かけ流し。黒川温泉からタクシーで十分。
三十のうち、六つに入った。
東京から遠方(空路)1名 九万円台前半〜(2名1室の1名分・夕朝食付)
門を入ると、竹だった。竹林の中に、道が通っている。両側から竹が寄っていて、上のほうで交差している。
1名では部屋が出なかった
忘れの里 雅叙苑(鹿児島・妙見温泉)
全八室。古民家を移築した離れ家の形式で、客室が独立している。客室の温泉風呂は全室が源泉かけ流し。大浴場二つと貸切風呂三つも、同じく源泉一〇〇%鹿児島空港から車で約十五分。
山荘 天の里(和歌山・高野山麓 天野)
全八室・一日八組限定。敷地は約六千坪で、客室は四棟に分かれている。
一室あたりの、坪数
四軒を並べて、最初にしたのは割り算である。
亀の井別荘は約一万坪を十七室で割る。竹ふえは約五千坪を十二室。天の里は約六千坪を八室。いずれも一室あたり四百坪を超える。雅叙苑は敷地面積の公表がないので、この計算に入らない。
四軒とも、敷地の広さを客室数で割ると、桁がひとつ違った。
普通の旅館は、この数字がずっと小さい。同じ広さに、もっと多くの部屋を置く。そのほうが合理的だからである。
つまりこの四軒は、置けたはずの部屋を置いていない。値段の内訳の大部分は、建っていない部屋である。
ここまでは、数えられる。
数えなかった
数えられるところまで数えて、それから先が分からない。
一室あたり四百坪という数字は、静けさを説明しない。棟と棟が離れていることは、廊下の音が届かない理由にはなるが、四軒それぞれで違っていたものの説明にはならない。
由布院では十一語目を書いた。天野では十四語目を、数えなかった。
数えなかったほうが、記録としては長く残っている。これも分類できない。分類できないまま、四つ目までは来た。
