本記事はアフィリエイト広告(一休.com)を利用しています。
三つの言葉
温泉の湯の使い方に、いくつかの言葉がある。混同されやすいので、事実として整理しておく。
源泉かけ流しは、湧いた湯を浴槽に注ぎ、あふれた分を捨てる。循環させず、消毒剤を加えない(あるいは最小限にする)使い方をいう。湯は常に新しいが、湧出量と湯温がそのまま使える場合にしか成立しない。
加水は、源泉の温度が高すぎるとき、水を足して下げること。
加温は、源泉の温度が低すぎるとき、熱を足して上げること。冷鉱泉(二十五度未満)は、加温しなければ湯として使えない。
循環は、同じ湯をろ過して繰り返し使うこと。衛生管理と湯量の節約のために行う。
どれが良い湯かではない。その湯を、どう使っているか、である。
The-Yohakuの宿では
このメディアは、宿の湯の使い方を、各記事の Field Notes に事実として書いている。「源泉かけ流し」でない宿も、隠さずに載せている。
理由は単純で、湯の使い方は宿の立地と源泉の事情で決まるからだ。冷鉱泉しか湧かない土地で加温するのは、欠点ではなく、その土地の湯を使うための工夫である。
事実を、そのまま並べる。
源泉かけ流しの宿(一部)
- 名泉鍵湯 奥津荘(岡山) — 足元湧出の源泉かけ流し。 → 測れない湧き方
- 岩井温泉 岩井屋(鳥取) — 山陰最古とされる湯を源泉かけ流しで。 → 通した一行の、遠さ
- 越前あわら温泉 つるや(福井) — 三本の自家源泉から百パーセントかけ流し、飲泉も可。 → 名前の残る仕事
- 秘境 白川源泉 山荘 竹ふえ(熊本) — 露天三十か所すべてかけ流し。 → 三十のうち、六つ
浴室ごとに違う宿
- 島崎藤村ゆかりの宿 中棚荘(長野) — 露天はかけ流し、大浴場は源泉百パーセントだが加温。 → 六年、教師をしていた
同じ宿でも、浴室によって使い方が違うことがある。まとめて「かけ流し」と書かず、浴室ごとに分けて記録している。
加温・加水している宿
- あかん鶴雅別荘 鄙の座(北海道) — 単純泉を加水。 → 週に三往復の便
- 季さら別邸 刻〜TOKI〜(三重) — 冷鉱泉を加温(源泉百パーセント)。 → 冷たい水を、温めて使う
- はなれ宿 善積(静岡・伊豆高原) — 加温・加水あり。 → 六つのうちの、ひとつ
なぜ書くか
「源泉かけ流し」は、宿の広告でよく使われる言葉である。使われすぎて、それが無い宿は劣っているように見えてしまう。
そうではない。
冷たい水しか湧かない土地で、湯として使えるように温める。それは、そのままでは使えないものを、手を加えて使うということだ。
不純ではない。工夫である。
だから、加温の宿も、かけ流しの宿と並べて記録する。誇張せず、隠さず、事実として。
