駅から先の五分を、誰が運ぶか決めておく宿
駅から玄関までの五分から十分を、駅で拾うタクシーで行く二軒と、宿の送迎の便に自分の到着を合わせる二軒に分けた四軒です。東京から二時間以内で駅までは着くので、家を出る前に決めることは、その五分から十分の埋め方だけになります。
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四軒は、駅でタクシーを拾う二軒と、宿の送迎の時刻に合わせる二軒に分かれる。
東京から二時間以内で、四軒それぞれの最寄り駅までは着きます。何時何分に着くかは家を出る前に決まっていて、午後に出ても明るいうちに玄関へ入れます。決まっていないのは、改札を出てからの五分から十分だけです。送迎の便を宿が書いていて予約の要る二軒は、その便に自分の到着を合わせることになり、送迎について書いていない二軒は、駅に着いてからタクシーを手配することになります。価格帯にも地域にも評点にも、この五分を誰が運ぶかは出てきません。
駅で、車を拾う
まず、その五分から十分を自分で埋める側です。宿の車の便が書かれておらず、最後の一区間はタクシーになります。はなれ宿 善積は伊豆高原駅から約八分、石葉は湯河原駅から約十分です。どちらも、駅に着いてから手配することになります。
石葉は東京駅から東海道線の直通で約九十五分、一度も乗り換えずに湯河原駅まで来られます。座席を立つのは改札の手前が最初で、最後の十分だけが未定のまま残ります。
- はなれ宿 善積 静岡県伊東市伊豆高原(南大室台)
約2時間。伊豆高原駅からタクシー約8分。
東京から約2時間 一人 三万円台半ば〜(1名1室・夕朝食付)
- 石葉 神奈川県足柄下郡湯河原町(宮上)
約1.5時間。湯河原駅からタクシー約10分(公式サイトのアクセス頁)。送迎の記載なし。
東京から約1.5時間 一人 十万円台前半〜(1名1室・夕朝食付)
駅までは、分単位で読めます。何時何分に着くかは、家を出る前から決まっています。読めないのは、そこから先の五分です。駅前に車がいるかどうかは、時刻表に載っていません。
長いほうが確かで、短いほうが不確かです。減速は駅までにほとんど終わっていて、最後の一段だけが時刻表の外に残ります。先に決めることになるのは、二時間の側ではなく、五分の側です。
この軸で選ぶと、出発前に決めておくことが一つだけになります。二時間の側は時刻表が保証するので、残るのは、その五分をタクシーで埋めるか、宿の送迎の便に自分の到着を合わせるかの一択です。それを決めた時点で、何時の列車に乗るかも決まります。料金表にも客室の写真にも、この五分が誰の手にあるかは出てきません。

分けたのは、宿の車の便が記録に書かれているかどうかです。
宿の車の便が、決まっている
その五分から十分を宿の車が埋める側は、送迎の運行が書かれていて、いずれも予約が要ります。新木鉱泉旅館の送迎は西武秩父駅発が十五時、十六時、十七時の三便で、利用するには三十分前までに電話を入れることになっているので、乗るならその三つのどれかに着く列車を選ぶことになります。
万平ホテルの無料送迎バスも予約制で、軽井沢駅南口のタクシー乗り場付近と宿のあいだを走ります。公式のアクセス頁が書いているのは、駅からタクシー約五分、距離にして約二キロという二つの数字です。送迎に乗らないなら、その二キロを車で五分かけて旧軽井沢の木立まで入ることになります。
- 万平ホテル 長野県北佐久郡軽井沢町
約1.5時間。軽井沢駅からタクシー約5分・約2km(公式サイトのアクセス頁)。無料送迎バスは予約制。
東京から約1.5時間 一人 七万円台半ば〜(1名1室・夕朝食付)
- 秩父七湯「御代の湯」 新木鉱泉旅館 埼玉県秩父市(秩父七湯)
約2時間。西武秩父駅から送迎かタクシー約10分。
東京から約2時間 一人 一万円台半ば〜(1名1室・夕朝食付)
向かないとき
駅前にタクシーが何台いるかは、行ってみないと分かりません。書かれているのは所要時間だけで、台数までは確認できていません。改札を抜けて、駅前のロータリーに屋根の灯りが並んでいるかどうかを見るのは、二時間乗ってきて、最後の五分から十分だけを残したところでのことになります。
送迎があることと、送迎を当てにできることは別です。石葉は送迎の有無そのものを電話で確かめることになっており、はなれ宿 善積は送迎について書いていないので、この二軒は駅で車を拾う前提で旅程を組むことになります。
新木鉱泉旅館の送迎で帰るなら、復路は宿発九時五十分と十一時の二便になるので、翌朝の湯と朝食と荷造りの順番が、その二つのどちらかに寄っていきます。九時五十分に乗るか十一時に乗るかで、朝食のあとに残る時間が変わります。万平ホテルの公式のアクセス頁は、駅からの徒歩の所要を書いていません。書いてあるのは約二キロという距離だけで、その二キロを荷物を提げて歩くかどうかは、鞄の重さと空模様の側で決まります。
ここに並ぶのは各宿の記録に書かれていたもので、便数と時刻は変わります。

隣の一覧は、別のところで切っています。迎えの車で、最後の道を行く宿は駅から先を送迎に任せられるかどうかで、最後の道を、自分で行く宿は送迎を使わずに着けるかどうかで切った一覧です。ここは、最後の一区間が五分から十分に収まる四軒だけを集めています。
五分の使い道
五分は、歩けば知らない土地の五分になります。角を曲がるたびに看板の文字が変わり、風の向きが変わり、靴の底に当たるものが変わって、その五分ぶんの土地が身体の側に残ります。
車に乗れば、窓の外の五分です。
降りたときに残っているものが違います。それでも所要の欄には、そのどちらも「約五分」と書かれています。