宿と小説の読みもの、余白
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子供の分の布団が、もう要らなくなった。

そこから急に増える時間の話をします。子供が独立すると、夫婦二人だけで過ごす時間が急に増えます。何を話すか決めていなくても、気まずくならない宿を選べば、それで足ります。

二人だけの時間を、長く取れる

まず、時間そのものを長く取れる側です。Onsen & Garden 七菜と、名泉鍵湯 奥津荘です。

七菜は1日3組限定で、湯や食事の時間を他の客に合わせず、二人だけの時間を長く取れます。奥津荘は足元湧出という珍しい湧き方の湯を、会話がなくても黙って一緒に眺められます。

話さなくても、間が持つ

長く取った時間を、黙ったまま持たせる側です。あかん鶴雅別荘 鄙の座と、強羅花扇です。

鄙の座は全室スイート・露天風呂付きで、他の客の出入りに時間を合わせなくて済みます。強羅花扇は客室がいずれも二名からで、部屋の中だけで滞在が完結します。この宿へ初めて妻を誘った克彦の記録は、退職して二年、報告の形になってしまった誘い方から始まります。

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皆美館と、鳥越の宿 三楽園

間を持たせるものは、庭でも湯でもかまいません。

皆美館は宍道湖を望む庭園があり、話さなくても庭を眺めるだけで時間が過ぎます。三楽園は炭酸水素塩泉・炭酸鉄泉の2種の湯があり、話題がなくても湯を変えるだけで気分が変わります。

大和屋別荘と、和の宿 ホテル祖谷温泉

庭や湯で間が持たなければ、外へ出る手も残っています。

大和屋別荘は道後温泉本館が徒歩圏で、話が途切れたら外湯に出る選択肢もあります。ホテル祖谷温泉はケーブルカーで谷底まで下る露天風呂があり、移動そのものが会話の代わりになります。

すぐに動きたい夫婦には、ホテル祖谷温泉は向きません。送迎バスが一日一便で、旅程がその一便に合わせて組まれることになります。

話題は、無理に用意しなくていい

子供が独立してからの夫婦の一泊に、話す内容を先に決めておく必要はありません。気まずくならない部屋があれば、それだけで一晩は持ちます。布団が二組で足りるようになった分の広さを、二人で使うだけです。

介護が一段落してからなら夫婦で、介護が一段落してから泊まる宿、記念日として選ぶなら夫婦で、結婚記念日に泊まる宿があります。

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