宿と小説の読みもの、余白
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友人と泊まるなら、昔のように話が弾むと思っていた。

その思い込みの中身から、話を始めます。友人と泊まる旅には、二つの気疲れがあります。久しぶりに会う相手となら、金銭感覚の違いや、噛み合わない近況が出てきます。気の置けない相手となら、今度は格好をつけたくなる自分に疲れます。どちらも、気の合う話で盛り上がると思って計画した旅の途中で出てきます。

昔話は弾んでも、今の話になると少し止まる。気心が知れていても、可愛くあろうとし続けて疲れる。それ自体は珍しいことではありません。問題は、それを他の客の前でやることになるかどうかです。

食事の場が、個室かどうか

他の客の目を消す第一の手は、個室です。信玄の湯 湯村温泉 常磐ホテルと、時音の宿 湯主一條です。

常磐ホテルは夕朝食とも個室会場が基本で、金銭感覚の違いを他の客に聞かれる心配がありません。湯主一條は登録有形文化財の建物内、個室料亭での食事で、会話が弾まなくても他のテーブルの目を感じません。

部屋食なら、共同作業すら要らない

個室のさらに内側が、部屋食です。下呂温泉 湯之島館と、季さら別邸 刻です。

湯之島館は部屋食のため、店を選ぶ・注文を決めるという共同作業そのものが要りません。季さら別邸 刻は部屋食か個室ダイニングのいずれかで、広間で他の客と並ばずに済み、食事の場で気を遣う場面を作らずに済みます。

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会話の量を、自分たちで決める

席が分かれたら、残るのは会話の量です。静響の宿 山水と、湯宿 草菴です。

山水は個室提供で、会話のペースを二人だけで決められます。草菴は築111年の移築古民家のレストランで個室食が取れ、久しぶりの相手との会話量を自分たちで調整できます。

他の客の目が、そもそもない

食事の場から離れて、湯の側で目を消す二軒です。積善館と、神話が息づく出雲ノ国 古代ロマンの宿 松園です。

積善館は個室食のプランを選べば、他の客の目を気にしなくて済みます。松園は貸切風呂が2つあり、湯を他の客と共にせず済ませる選択肢があります。

車を運転しない友人同士には、積善館は向きません。送迎がなく、駅からバスかタクシーで自力移動することになります。

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いつもの相手でも、格好をつけたくなる

気の置けない相手だからこそ、可愛くあろうとし続けて疲れることがあります。予定が急にキャンセルされるのも、久しぶりの相手より、いつもの相手のほうが起きやすいものです。

常磐ホテルは個室会場が基本で、飾らない自分のままでいられます。草菴は個室食で会話量を自分たちで調整できるため、予定が急に変わっても、二人だけで組み直せます。

盛り上がらなくても、いい

友人との旅は、昔のように盛り上がることを前提にしなくてかまいません。久しぶりの相手にも、いつもの相手にも、気を遣わずに済む場を選べば、話が弾まない時間も、格好をつけない自分も、そのまま置いておけます。

親と行くなら親と、二十年ぶりに泊まる宿、夫婦で行くなら妻と、湯のために部屋を出るかで分けた宿があります。

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