いつもの洗面道具で、泊まる宿
8軒ともシャンプーとボディソープを置いていません。城崎温泉 三木屋と金沢・深谷温泉 元湯石屋は、湯もかけ流しではないと書いてあります。
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石けんもシャンプーも、持って行かなくていいと思っていないか。
鞄に入れる道具の話から先にします。宿の良し悪しを、置いてあるものの数で測る癖が、いつのまにかついています。シャンプーがあり、ドライヤーがあり、歯ブラシが小さな袋に入って洗面台の隅に並んでいて、数えられるものは比べられ、比べられるものは点数になります。
八軒は、その数え方の外にあります。
洗い場に何を置くかを決めているのは、いつも宿の側です。置くと決めた宿では客は手ぶらで湯へ行けばよく、置かないと決めた宿では、湯へ行くよりずっと前に、その分だけこちらが決めることになります。
持ち物が増えるのではありません。決める時刻が、前に来ます。鞄を開けるのは、家を出る前です。
洗うものを、持って行く
シャンプーとボディソープが無い六軒です。洗面道具の一式で足ります。
- 文化財の宿 新井旅館 静岡県伊豆市(修善寺温泉)
シャンプーとボディソープがありません。湯沸しポットもありません。
東京から約2時間 一人 四万円台前半〜(1名1室・夕朝食付)
- 金沢・深谷温泉 元湯石屋 石川県金沢市深谷町(深谷温泉)
シャンプーとボディソープがありません。パジャマもありません。
東京から約3時間 一人 四万円台後半〜(1名1室・夕朝食付)
小説を読む PRじゃらんnetで空室を見る(外部サイトが新しいタブで開きます) PRExpediaでも空室を見る(外部サイトが新しいタブで開きます)三年で四回目の二次通過を、四回目と数えている人がいる。— 蓮|型のある家で、型のない字を
- 湯宿 草菴 島根県出雲市斐川町(湯の川温泉)
シャンプーとボディソープがありません。浴衣もありません。
一人 三万円台後半〜(1名1室・夕朝食付)
- 鳥越の宿 三楽園 富山県砺波市庄川町(庄川温泉郷)
シャンプーとボディソープがありません。
一人 二万円台後半〜(1名1室・夕朝食付)
- 法師温泉 長寿館 群馬県利根郡みなかみ町
シャンプー・ボディソープ・石けんに加えて、くしと髭剃りもありません。
東京から約2.5時間 一人 二万円台半ば〜(1名1室・夕朝食付)
- 城崎温泉 三木屋 兵庫県豊岡市(城崎温泉)
シャンプーとボディソープに加えて、くしと髭剃りもありません。一人での宿泊は受けていません。
東京から約5時間 一人 三万円台前半〜(2名1室の1名分・夕朝食付)
置いていないものは、宿ごとに少しずつずれています。文化財の宿 新井旅館には湯沸しポットも無く、金沢・深谷温泉 元湯石屋にはパジャマも無く、湯宿 草菴には浴衣も無く、法師温泉 長寿館と城崎温泉 三木屋では、くしと髭剃りも置いていません。
一式、という言い方で済ませられるのは、ここまでです。
この軸で選ぶと、決め終わる時刻が予約の前に来ます。価格帯や地域や評点の欄には、洗面台に何が並ぶかは出てきません。置いていないと書いてある宿を選べば、家の洗面所の棚から何を抜いて鞄へ移すかが出発の前に確定して、着いてから足りないものに気づく順序ではなくなります。
理由は書かれていません。湯に足したくないのか、古い建物の造りなのか。予約ページにはどちらも書かれていないので、ここでは推測しません。
分けたのは、持って行くものの量です。
洗うものと、乾かすものを持って行く
上の六軒に加えて、ドライヤーも無い二軒です。
- 会津東山温泉 向瀧 福島県会津若松市(東山温泉)
ドライヤーと冷蔵庫もありません。一人での宿泊は公式サイトからのみ。
東京から約3時間 一人 三万円台半ば〜(1名1室・夕朝食付)
- 湯之元温泉 宮崎県西諸県郡高原町(霧島山麓)
シャンプー・リンス・ボディソープ・石けん・ドライヤーがありません。
東京から約5時間 一人 一万円台前半〜(1名1室・夕朝食付)
洗面道具一式で足りると考えて来る読者には、この二軒は向きません。会津東山温泉 向瀧には冷蔵庫も無く、湯之元温泉はシャンプー、リンス、ボディソープ、石けん、ドライヤーが予約ページの一覧で揃って×になっています。持って行くものが、鞄の一区画では収まらなくなります。
髪の長い人は、乾くまでの時間を予定に入れることになります。三十分か、一時間か。その時間は、宿にいるあいだの時間です。
湯へ行く前に、決まること
髪まで洗うつもりでいるなら、鞄に入れるものが一つ増えます。売店を置いている宿もありますが、どこで買えてどこで買えないかまでは確認できていないので、着いてから探すことにすると、探す時刻は荷を解いたあとの、いちばん湯へ行きたい時刻と重なります。
洗い場に何も並んでいないことと、湯が新しいことは、別のところで決まっています。城崎温泉 三木屋と金沢・深谷温泉 元湯石屋の案内には、かけ流しではないと書いてあります。石けんを持って行く夜と、湯が新しい夜は、重なることもあれば重ならないこともあって、置かない宿の理由を一つに束ねると、そこが最初にずれます。
石けんは、洗面台の話です。湯の話が始まるのは、湯船の縁に手をかけてからです。
料金も備えも変わります。ここに並ぶのは掲載ページに書かれていたもので、現地で違っていることはあります。
鞄に足すものは、宿によって違います。乾かす道具のほうなら髪が乾くまでを、待つ宿、寝るときの一枚なら浴衣のまま、眠る宿があります。
数えられるもの、数えられないもの
石けんの有無は数えられます。
数えたところで、その湯がどうだったかは分かりません。分かるのは、洗い場の低い椅子に腰を下ろし、持って来た石けんを湯で濡らし、掌のあいだで泡が立ちはじめるのを見たときだけです。

泡は湯に流れて、板の目地に沿って落ちていきます。あとに残るのは、角の丸くなった石けんが一つです。
鞄に入るものは、家で決められます。入らないものは、着いてからでないと決まりません。