いつもの洗面道具で、泊まる宿
どれもシャンプーとボディソープを置いていません。城崎温泉 三木屋と金沢・深谷温泉 元湯石屋は、湯もかけ流しではないと書いてあります。
8軒。一人の枠を最後に確かめたのは、2026年8月27日から9月10日のあいだです。
一人の部屋の知らせ
一人で取れる部屋が出たとき、一通お知らせします。
それ以外のメールは届きません。
メールアドレス以外は受け取りません。配信はいつでも解除できます。 取り扱いはプライバシーポリシーのとおりです。
本記事はアフィリエイト広告(Expedia・Relux・一休.com・じゃらんnet)を利用しています。
石けんもシャンプーも、持って行かなくていいと思っていないか。
鞄に入れる道具の話から先にします。宿の良し悪しを、置いてあるものの数で測る癖が、いつのまにかついています。シャンプーがあり、ドライヤーがあり、歯ブラシが小さな袋に入って洗面台の隅に並んでいて、数えられるものは比べられ、比べられるものは点数になります。
八軒は、その数え方の外にあります。
洗い場に何を置くかを決めているのは、いつも宿の側です。置くと決めた宿では客は手ぶらで湯へ行けばよく、置かないと決めた宿では、湯へ行くよりずっと前に、その分だけこちらが決めることになります。
持ち物が増えるのではありません。決める時刻が、前に来ます。鞄を開けるのは、家を出る前です。
洗うものを、持って行く
シャンプーとボディソープが無い六軒です。洗面道具の一式で足ります。
- 文化財の宿 新井旅館 静岡県伊豆市(修善寺温泉)
シャンプーとボディソープがありません。湯沸しポットもありません。
東京から約2時間 一人 四万円台前半〜(1名1室・夕朝食付)
小説を読む PRExpediaで空室を見る(外部サイトが新しいタブで開きます)小説 第 2 話
予定表を色分けして、五月が青と緑で埋まっているのを見る人がいる。— 悠真(IT企業勤務・推し活に生きる会社員)『供給のない週末の現場』
追いかけていたグループは活動休止のままで、ファンどうしのやりとりだけが残っている。金額はいまも、現場何回ぶんかに換算して数える。
- 金沢・深谷温泉 元湯石屋 石川県金沢市深谷町(深谷温泉)
シャンプーとボディソープがありません。パジャマもありません。
東京から約3時間 一人 四万円台後半〜(1名1室・夕朝食付)
小説を読む PRじゃらんnetで空室を見る(外部サイトが新しいタブで開きます) PRExpediaでも空室を見る(外部サイトが新しいタブで開きます)小説 第 16 話
三年で四回目の二次通過を、四回目と数えている人がいる。— 蓮(作家志望)『型のある家で、型のない字を』
日払いの現場で働き、入った日数のぶんだけ暮らしている。四年のあいだ、公募に出して、落ちて、また書いてきた。
- 湯宿 草菴 島根県出雲市斐川町(湯の川温泉)
シャンプーとボディソープがありません。浴衣もありません。
一人 三万円台後半〜(1名1室・夕朝食付)
小説を読む PRじゃらんnetで空室を見る(外部サイトが新しいタブで開きます)小説 第 24 話
十年使った屋号を、三月の末に捨てた人がいる。— 志乃(フリーランスデザイナー)『移された家の、二度目の場所』
長く窓口だった人の異動で、仕事の筋が一つ細くなった。見積もりの行は、いまは作りながら自分で削っている。
- 鳥越の宿 三楽園 富山県砺波市庄川町(庄川温泉郷)
シャンプーとボディソープがありません。
一人 二万円台後半〜(1名1室・夕朝食付)
小説を読む PRじゃらんnetで空室を見る(外部サイトが新しいタブで開きます)小説 第 26 話
母の名前を、三年ぶりにタオルへ書いた人がいる。— 美咲(介護と仕事を両立する会社員)『二種類の湯、一泊の体』
母が施設に入ってから、面会は週に一度、土曜の午後になった。面会と面会のあいだに空いた平日に、一泊だけ出る。
- 法師温泉 長寿館 群馬県利根郡みなかみ町
シャンプー・ボディソープ・石けんに加えて、くしと髭剃りもありません。
東京から約2.5時間 一人 二万円台半ば〜(1名1室・夕朝食付)
小説を読む PR一休.comで空室を見る(外部サイトが新しいタブで開きます)小説 第 4 話
通う先が無くなって三か月、六時十分に目が覚める人がいる。— 克彦(早期退職した元管理職)『以上、で締まらない一日』
同じ会社に四十二年いて、課長が十一年、部長が七年だった。電車で一時間半のところに八十代の母が一人でいて、出かける段取りは引き受ける。
- 城崎温泉 三木屋 兵庫県豊岡市(城崎温泉)
シャンプーとボディソープに加えて、くしと髭剃りもありません。一人での宿泊は受けていません。
東京から約5時間 一人 三万円台前半〜(2名1室の1名分・夕朝食付)
小説を読む小説 第 10 話
給湯室で子どもの写真を見せられた人が、ここへ来た。— 有希(会社員)『遠いほうの切符を買う』
子を持たない生き方を選んだ。母を見送って、実家の片付けが半分残っていて、急ぐ理由がないので急いでいない。
1名では部屋が出なかった宿の公式サイトへ(宿の公式サイトが新しいタブで開きます)
置いていないものは、宿ごとに少しずつずれています。文化財の宿 新井旅館には湯沸しポットも無く、金沢・深谷温泉 元湯石屋にはパジャマも無く、湯宿 草菴には浴衣も無く、法師温泉 長寿館と城崎温泉 三木屋では、くしと髭剃りも置いていません。
一式、という言い方で済ませられるのは、ここまでです。
この軸で選ぶと、決め終わる時刻が予約の前に来ます。価格帯や地域や評点の欄には、洗面台に何が並ぶかは出てきません。置いていないと書いてある宿を選べば、家の洗面所の棚から何を抜いて鞄へ移すかが出発の前に確定して、着いてから足りないものに気づく順序ではなくなります。
理由は書かれていません。湯に足したくないのか、古い建物の造りなのか。予約ページにはどちらも書かれていないので、ここでは推測しません。
分けたのは、持って行くものの量です。
洗うものと、乾かすものを持って行く
上の六軒に加えて、ドライヤーも無い二軒です。
- 会津東山温泉 向瀧 福島県会津若松市(東山温泉)
ドライヤーと冷蔵庫もありません。一人での宿泊は公式サイトからのみ。
東京から約3時間 一人 三万円台半ば〜(1名1室・夕朝食付)
- 湯之元温泉 宮崎県西諸県郡高原町(霧島山麓)
シャンプー・リンス・ボディソープ・石けん・ドライヤーがありません。
東京から約5時間 一人 一万円台前半〜(1名1室・夕朝食付)
小説を読む PRじゃらんnetで空室を見る(外部サイトが新しいタブで開きます)小説 第 60 話
AIの校正結果に赤を足す仕事を、春から十件以上受けた人がいる。— 楓(元雑誌編集者)『持っていくものが増えた』
いまはフリーの校正者。機械がかけた校正に追記を足す仕事を減らせないまま、単価がその半分に近い文芸のゲラも受けている。
一人の部屋の知らせ
一人で取れる部屋が出たとき、一通お知らせします。
それ以外のメールは届きません。
メールアドレス以外は受け取りません。配信はいつでも解除できます。 取り扱いはプライバシーポリシーのとおりです。
洗面道具一式で足りると考えて来る読者には、この二軒は向きません。会津東山温泉 向瀧には冷蔵庫も無く、湯之元温泉はシャンプー、リンス、ボディソープ、石けん、ドライヤーが予約ページの一覧で揃って×になっています。持って行くものが、鞄の一区画では収まらなくなります。
髪の長い人は、乾くまでの時間を予定に入れることになります。三十分か、一時間か。その時間は、宿にいるあいだの時間です。
湯へ行く前に、決まること
髪まで洗うつもりでいるなら、鞄に入れるものが一つ増えます。売店を置いている宿もありますが、どこで買えてどこで買えないかまでは確認できていないので、着いてから探すことにすると、探す時刻は荷を解いたあとの、いちばん湯へ行きたい時刻と重なります。
洗い場に何も並んでいないことと、湯が新しいことは、別のところで決まっています。城崎温泉 三木屋と金沢・深谷温泉 元湯石屋の案内には、かけ流しではないと書いてあります。石けんを持って行く夜と、湯が新しい夜は、重なることもあれば重ならないこともあって、置かない宿の理由を一つに束ねると、そこが最初にずれます。
石けんは、洗面台の話です。湯の話が始まるのは、湯船の縁に手をかけてからです。
料金も備えも変わります。ここに並ぶのは掲載ページに書かれていたもので、現地で違っていることはあります。
鞄に足すものは、宿によって違います。乾かす道具のほうなら髪が乾くまでを、待つ宿、寝るときの一枚なら浴衣のまま、眠る宿があります。
数えられるもの、数えられないもの
石けんの有無は数えられます。
数えたところで、その湯がどうだったかは分かりません。分かるのは、洗い場の低い椅子に腰を下ろし、持って来た石けんを湯で濡らし、掌のあいだで泡が立ちはじめるのを見たときだけです。

泡は湯に流れて、板の目地に沿って落ちていきます。あとに残るのは、角の丸くなった石けんが一つです。
鞄に入るものは、家で決められます。入らないものは、着いてからでないと決まりません。
一人の部屋の知らせ
一人で取れる部屋が出たとき、一通お知らせします。
それ以外のメールは届きません。
メールアドレス以外は受け取りません。配信はいつでも解除できます。 取り扱いはプライバシーポリシーのとおりです。